奇才

『Symphonic Suite AKIRA』芸能山城組

B00005GXAG
1994 日本
民族音楽が生むサイケデリック感 #
変拍子マニアも納得のポリリズムの嵐 #
欧米の音楽では味わえない荘厳さ #
世界のレアな歌唱法を集めたカタログとしての充実度 #
総合点 #

〜伝説のジャパニメーションを伝説たらしめた近未来の民族音楽〜

1988年に公開された映画『AKIRA』。世界中で評価されたジャパニメーションのさきがけとして、その存在はもはや伝説となっています。
2019年、謎の大爆発で東京が崩壊した後、東京湾にできたネオ東京という人工都市を舞台に、超能力者と軍と暴走族と新興宗教と左翼ゲリラがからみあって大暴れする、近未来サイバーパンクSF巨篇。原作は、マンガ界の流れを完全に変えた大友克洋。『ヤングマガジン』に連載されていた当時から話題だった原作を、当時の最高峰の技術で映画化したわけです。

(続きを読む…)

『渋旗』渋さ知らズ

B000A3T0QM
2001 日本
ダンスミュージックとしての強度 #
ジャズならではの即興性とスリル #
決め事や束縛から自由である風通しの良さ #
岡本太郎度 #
総合点 #

~過剰すぎる足し算の美学から生まれる謎の感動~

人間、大人になってくると「引き算」の美学に惹かれるようになります。
必要最低限のものだけあればいい、みたいな、枯れた良さがわかるようになってくるんです。なんでもかんでも好きなものを詰め込んでいくっていう、足し算の発想が、青臭くダサいに感じられてくる年頃ってあると思うんですよね。

(続きを読む…)

『オトネタ』マキタスポーツ

B0038TXF7A
2010 日本
対象への愛情と冒涜があふれてる度 #
浜省のヘタレっぷり #
このCDをきっかけとしたブレイクの予感 #
お茶の間へのアピール度 #
総合点 #

~アーティストの声帯じゃなくて脳をマネる、それが作詞作曲モノマネ~

浅草キッドに見いだされてお笑いの世界に飛び込んだ、オフィス北野所属のピン芸人、マキタスポーツ。
これまでのところ、とんねるずの「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」などの番組で披露した矢沢永吉のモノマネで世間的には認知されていることでしょう。
もう少し詳しい人なら、「いかにも長渕剛ふうだけど実はものすごくヘタレな内容の家出の歌」を観たことがあるかもしれません。
(続きを読む…)

『かせきさいだぁ』かせきさいだぁ

B000064YM8
1996 日本
ダンスミュージックとしての強度 #
文科系ヒップホップ精神 #
知識とセンスの正しい使い方 #
メガネ音楽の正統として #
総合点 #

~ヒップホップとは本来サブカルなメガネくんこそがやるべきものなのかも~

ヒップホップという音楽は、ご存知の通りアメリカの黒人たちが生み出したものであり、現在もほとんど黒人の黒人による黒人のための音楽として機能しています。
経済的にも社会的にも抑圧され、貧しく治安の悪い生活を余儀なくされている黒人たちは、身の回りの過酷な現状を生々しい言葉でラップしました。有名なラッパーのなかには、街の悪ガキや伝説の不良といった出自の人間が多く、実際に抗争に巻き込まれて殺されたアーティストもひとりやふたりではないわけです。
(続きを読む…)

『SO FAR, SO GOOD… SO WHAT!』 MEGADETH

B00000723A
1988 アメリカ
スラッシュメタルとしての過激さ #
アルバム全体のバラエティとか音楽的構成美 #
当時の病んだアメリカのリアルな空気感 #
心の弱い奴が勝手にそそのかされて人を殺したくなっちゃうかも度 #
総合点 #

~ホラー映画で最初に殺される奴が聴いてるような音楽(もちろん褒め言葉)~

映画化もされたマンガ『デトロイト・メタル・シティ(DMC)』を観てもわかるように、21世紀の現代において、ヘビーメタルという音楽はもはやネタとして扱われるものになっています。
しかし、1980年代においては、どのジャンルの音楽よりも若者の衝動をしっかりと受け止めていたのはヘビーメタルでした。この時代のアメリカ映画に出て くる街の悪ガキどもはだいたいみんな、車の中や部屋でヘビーメタルを聴いているものでした。大音量でメタルを聴いていて侵入者に気づかずに真っ先に殺されるっていうシーン、B級ホラー映画で観たことあるはずです。
(続きを読む…)