『GHV2 – Greatest Hits Volume 2(グレイテストヒッツ2)』Madonna
タグ:その時代ならでは, グルーヴ, サウンド重視, 大人向け, 天才, 定番, 萌え
| 2001 アメリカ | |
|---|---|
| 人としてのオーラにまず圧倒される度 | |
| 大衆的ポップスとしてのキャッチーさとクオリティ | |
| 最先端の音を着こなすセンス | |
| 女王の地位に安住せず攻め続ける姿勢 | |
| 総合点 | |
〜太く長く攻め続ける姐御の生き様総括その第二弾〜
「Like a Virgin」や「Material Girl」などの大ヒットにより、1980年代のポップ音楽シーンに女王として君臨することになったマドンナ。
時代の空気を反映したキラキラのダンスポップは世界中で愛され、また彼女自身の行動や発言そして存在そのものが世の中に大きなインパクトを与えてきたのです。保守的な人々は彼女のビッチで不信心な感じを嫌い、一方で多くの女性たちやゲイたちは胸を張って生きる勇気をもらったりもしてきました。
マドンナっていう人物、1980年代を代表する女性のひとりと言っても過言ではないでしょう。
しかし、こうやってひとつの時代の象徴になった人間、いわゆる「時代と寝た」人っていうのは、えてして長生きはできないもの。
多くのロックスターや革命家たちのように若くして命を落としたり、死なないまでも世の中から完全に姿を消したりっていうのが相場でした。まるで猫が自らの死期を悟ってそっと姿を消すような感じです。カート・コバーン、坂本龍馬、ジミ・ヘンドリックス、織田信長、チェ・ゲバラなどなど。
また、あくまで時代の変わり目を超えて生き残ろうとする人も中にはいますが、いろいろあがいてみたところで、かつての輝きを失ってしまった姿をさらすだけというのがオチなわけです。
だいたいそれが世の常ってやつなのですが、ここにすごい例外がいた!っていうのが今回ご紹介する一枚。
タイトルからもわかるように、マドンナ姐さんのベストアルバム第二弾です。
1983 年のデビューから1990年までの曲を収めた『The Immaculate Collection』という初期ベストに続いて、1992年から2000年までのシングル曲を集めたアルバムなのです。
1992年といえば、マドンナが自身でレコードレーベル「マーヴェリック」を立ち上げた年。ワーナーグループの傘下ではありますが、マドンナはアーティストの発掘や経営にかなり積極的にかかわっていました。
マーヴェリックと契約したおもなアーティストといえば、アメリカ東海岸ハードコアの伝説的バンド・バッド・ブレインズとか、フジロックのヘッドライナーにもなったミューズとか、女性シンガーソングライターのアラニス・モリセットとか、パンク的なエレクトロで一世を風靡したプロディジーなどなど。
この顔ぶれからわかるのは、売らんかな的な安易な人選ではなく、まず音楽的に芯のあるアーティストを選んでいるっていうことと、マドンナの選球眼の確かさ。
ただの華やかなポップスターっていうだけでなく、実にクレバーかつセンスのある人なんですよね。
そんな彼女は、当然自分の曲にも鋭い選球眼を反映させます。
1990年代といえば、音楽的にはテクノやハウスが大きく発展した時代。4つ打ちやブレイクビーツのリズムが一般的になり、さらに抽象的で前衛的な方向に進化するアーティストも登場してきます。1990年代のマドンナは、そんな新しい時代の新しい才能を積極的に取り込み、アーティストとしての寿命をさらに延ばすことに成功しました。
そのため、このアルバムには、大衆的なポップスでありながら、ビートや音響の面では先鋭的であろうとしているという、大変なバランスの上に成り立っている楽曲が揃うことになりました。
映画『エビータ』で歌った「Don’t Cry For Me Argentina」などのバラードも入っていますが、基本的には先鋭的なダンスポップが中心です。
アルバムの目玉はキャッチーでダンサブルな「Ray Of Light」や「Music」あたりでしょうが、7thのコード感が1960年代フレイバーを感じさせる「Beautiful Stranger」もいいし、聴きどころ満載。
個人的には「Deeper And Deeper」で聴ける陰影のあるハウスミュージックが好きですね。
「Human Nature」や「Frozen」や「The Power Of Good-Bye」といったミドルテンポの曲もありますが、決して守りに入っておらず、むしろ凝った音色やビートが聴けます。チャチなイヤホンとかじゃなく、できるだけちゃんとした音環境で聴きたいですね。
というわけで、マドンナ姐さんは1990年代も大変に充実しておられたということがわかります。
その象徴が、1990年のシングル「Music」。気鋭の若手をプロデューサーに起用したクラブ仕様のこの曲は、760万枚を売り上げました。
この数字の凄さは、超有名曲「Like a Virgin」や「Like a Prayer」が400万枚程度の売り上げだったことと比べるとわかってもらえるでしょう。つまりマドンナがやったことというのは、音楽的に攻めの姿勢を貫きながら、同時に過去最高の売り上げを達成するという、普通のベテランには絶対にできない離れ業なのです。
ちなみに、もっと衝撃的な事実をいうと、2010年の時点では最も売れたマドンナの楽曲というのが、870万枚を売り上げた2005年の「Hung Up」だということ!
2枚目のベストを出したときよりもさらに成長しているという、恐ろしいアーティストなのです。
【「Ray Of Light」PV】
2010/07/22 20:29 | カテゴリー:ポップス / ソロアーティスト | trackback(0)
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