『The Immaculate Collection(ウルトラ・マドンナ グレイテスト・ヒッツ)』Madonna
タグ:その時代ならでは, テンション上がる, 天才, 定番, 普遍的, 萌え
| 1990 アメリカ | |
|---|---|
| 人としてのオーラにまず圧倒される度 | |
| 大衆的ポップスとしてのキャッチーさとクオリティ | |
| 消費されてしまうことのない楽曲の芯の強さ | |
| 時代のキラキラ感を閉じ込めた度 | |
| 総合点 | |
~体ひとつで成り上がった女王が歌う、時代の空気を反映したキラキラのポップソングたち~
現在この地球には、約60億人が生きているといわれています。たとえばその60億人を対象に、大規模なタレント好感度調査を行ったら、いったい一位は誰になるかと考えてみます。もちろん、実在の生きている人物に限って。
まあマイケル・ジャクソン亡き今となっては、ローマ法王が10億票、オバマと胡錦濤がそれぞれ3億票ずつを獲得するみたいな感じかなという気がしますが、では女性の一位はというと、やっぱりマドンナなのではないかと思うのです。たぶん、ここ20年ぐらいずっと。
ビヨンセもマライアもヒラリーも藤川優里も、まだまだマドンナ姐さんには及ばないでしょう。
女性であることの困難さと真正面からぶつかったり、また女性であることを最大限に武器にしたり。
歌とダンスで頂点を極めるにとどまらず、女優として映画に主演したかと思えば、みずからレコードレーベルを主催して先鋭的なアーティストを手がけたり。なんとあのプロディジーやバッド・ブレインズなんかも契約していたっていうぐらい。
つまり普通の人間がものすごくがんばって成し遂げる仕事を一人でいくつもこなす超人であり、しかも音楽に関する選球眼も肥えているという、ものすごい人なのです。
そしてマドンナといえば、世間の常識に挑戦するようなメッセージを音楽や行動や発言を通じて常に発しまくっていることでも有名です。まさに彼女の存在自体が事件っていう感じすらします。
たとえば最近でいうと、アフリカのマラウイという国の子供を養子に迎えようとした問題。マドンナからすれば、施設で暮らす貧しい子供を純粋に良心から養子として迎えようとしたのですが、これも言ってみれば金持ちが子供を買ったというふうにもとられかねないわけで、いま裁判になっていたりもするんですよね。
ことほどさように、彼女の行くところ必ず何かが起こるという具合なのです。本人が意図するかどうかにかかわらず。
今回ご紹介するのは、マドンナの初期ベスト。
1983 年の「Holiday」「Lucky Star」から1991年の「Rescue Me」「Justify My Love」まで。いわゆる80年代ポップスのど真ん中を駆け抜けた珠玉の17曲が詰まったアルバムなのです。
当時はMTV全盛で、アメリカの音楽業界はひたすら景気が良かった。ロス五輪とか、スペースシャトルとか、アップルコンピュータとか、スピルバーグとか。ベトナム戦争の傷跡も癒えつつあり、アメリカ合衆国が勢いを取り戻した時代です。
このアルバムからはそんな時代の夢や希望がシャボン玉みたいにポカンポカン湧いてくるのが感じられます。
さらに楽曲のクオリティもハンパなく高レベル。ほとんどの曲がどこかで聴いたことあるはずですし、あらためてCDでまとめて聴くとさらに良さに気づけます。
このCDにはもちろん、初期マドンナの代表曲「Like a Virgin」も入ってます。日本のレベッカがモロにパクった「Material Girl」も。いわゆる板尾の嫁シリーズですね。
キリスト教団体から猛烈に抗議を喰らった「Like A Prayer」だとか、ゲイカルチャーのノリを昇華した「Vogue」なんかも入ってます。ハネたリズムで刻むピアノのフレーズが、いかにも1990年代初頭のハウス特有って感じで素敵です。
音楽性の幅ってことでいえば、往年のダイアナ・ロス&シュープリームスあたりのモータウン・サウンドを彷彿とさせる「Cherish」とか、哀愁のラテン風味が強烈に漂う「La Isla Bonita」とかバラエティにも富んでいます。
しかし「La Isla Bonita」って、めちゃめちゃいろんな人にカバーされてますよね。
個人的に一番イナたくて好きだったのはこのバージョン。
【「La Isla Bonita」Squeez Up】
夢のような1980年代が終わりを告げる頃には、時代の空気を反映するかのようにだんだんダークで内省的な曲調になっていきます。「Justify My Love」あたりは、脳天気な「Like a Virgin」と同じ人の数年後の曲とは思えないほど。
とはいえ、そのまま方向性を見失って消えていくような並のアーティストとは、マドンナは出来が違っていて、この後さらに新しい音楽的成功を成し遂げるんですけどね。
まあ要するに、このアルバムはどこにもスキがないフルコース。かなりの満腹感をお約束いたします。
特に個人的に好きなのは、最初期の数曲。「Holiday」や「Lucky Star」あたりは、なんだかどうしようもなく胸が締めつけられます。
ビッチの汚名をも厭わず体ひとつで成り上がった女王が歌う、時代の空気を反映したキラキラのポップソングたちが、もうたまりません。ろくに歌詞も知らないしリアルタイムでもないのに、なぜかキュンとくる。これがポップの力ってやつなんでしょうか。
【「Boederline」PV】
http://www.youtube.com/watch?v=rSaC-YbSDpo
2010/06/29 12:08 | カテゴリー:ポップス / ソロアーティスト | trackback(0)
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