『The Specials』The Specials
タグ:その時代ならでは, グルーヴ, テンション上がる, 初期衝動, 定番, 総合点9以上
| 1979 イギリス | |
|---|---|
| ダンスミュージックとしてのちょうどいい感じ度 | |
| ザ・クラッシュの甥っ子的な第三世界パンク | |
| スカを演奏するロックバンドにとっての聖書 | |
| ロック系DJにとってのお役立ち度 | |
| 総合点 | |
〜スカの歴史に残る永遠の名盤は、黒人と白人が織りなす市松模様〜
1960年代に中米ジャマイカで生まれた音楽、スカ。
後にスカが発展して誕生したのがレゲエ。つまりスカは、日本も含め世界中で演奏され聴かれているレゲエのルーツなのです。
スカという音楽は、おもにジャマイカだけで聴かれていたものだったのですが、それを世界基準の音楽スタイルにしたのは、1970年代のイギリスでした。っていうか、このThe Specialsのアルバムが、スカという音楽をメジャーなものにしたのです。
1970 年代末のイギリスは、ものすごい不景気の真っ只中にありました。時代の波に翻弄され失業した若者たちの怒りのエネルギーは、やがてパンクロックを生み出します。
また一方で、景気が良かった頃に労働者としてやってきていた移民たちが、それぞれのルーツにある文化をイギリスに根づかせ始めていた時期でもありました。移民の多くはおもに大英帝国の植民地だった地域から集まってきていたわけですが、ジャマイカもそのひとつでした。
そんな時代背景があったので、ジャマイカ人が持ってきたスカ音楽と、怒れる若者が生み出したパンクロックが出会ったのは、ほとんど必然的と言ってもいいほどなんですよね。
パンクとスカの出会いを象徴するのが、「2トーン」という言葉。これは、ザ・スペシャルズ自身が立ち上げたレーベルの名前でもあり、そのまま彼らの音楽スタイルを指す言葉でもありますが、そのココロは、黒と白の市松模様。
黒人と白人の文化が噛み合わさって織り成すビートっていうことなのです。実際、ザ・スペシャルズのメンバーも黒人と白人の混合でした。
当時あのザ・クラッシュも挑戦していたパンクとレゲエの融合を、さらに思い切りやったのがザ・スペシャルズだという見方もできるでしょう。メッセージ性の強い歌詞を歌っているという点も共通していますし。
実際、1979年にザ・スペシャルズがデビューした際には、ザ・クラッシュが手を貸してあげているみたいです。
今回紹介するのがその1979年のファーストアルバムなんですけど、収録されている全14曲のすべてが、その後のスカ音楽における永遠のお手本になっています。
スカ音楽をやっているミュージシャンでこのアルバムを知らないっていう奴はちょっと考えられないし、実際ほとんど全曲について、誰かがカバーしてるバージョンを聴いたことがあります。
中でも最も有名な曲といえば、「little bitch」でしょう。
ロック系のクラブイベントに行ったことがある人であれば絶対に一度は耳にしたことがあるはず。曲名に馴染みにがなくても、「ワンツー!」っていう掛け声といえばわかるでしょう。ロック系DJにとって鉄板の大ネタのひとつで、ザ・スペシャルズ以外にも様々なカバーバージョンが存在しています。
自分も含め、これまでに何千人何万人のDJたちがこの曲の持つパワーのお世話になったことか。
というわけなので、「little bitch」をきっかけにザ・スペシャルズを知ってこのアルバムを購入する人は多いはずです。自分もそうでしたし。
「little bitch」という曲は、明らかにその後1990年代のスカパンク〜スカコアの流れのルーツになっています。オフスプリングのスカっぽい曲なんかモロにそうですよね。
しかしですね、このアルバムは他にも最高な曲がたっぷり収録されています。むしろ、ずっと聴いていると「little bitch」だけがちょっと浮いた感じがしてきて、この曲だけ飛ばしたくなったりするほど。
イギリス人のセンスとジャマイカのビートがいい感じに化学反応してる曲ってことでは、むしろ「Too Much Too Young」とか「Monkey Man」「Nite Klub」あたりに軍配をあげたいと思うし、「A Message to you, Rudy」や「You’re Wondering Now」のような、ロックステディに近い曲たちの方が、むしろこのバンドの魅力を感じさせてくれるような気がするんですよね。
他にもいい曲が盛りだくさん。要するにこのアルバムは、捨て曲なしの名盤っていうやつです。
さっきも言ったけど、スカ音楽をやっているミュージシャンでこのアルバムを聴いたことないっていう奴はちょっと考えられないような、そんなアルバムです。
2010/06/18 11:30 | カテゴリー:レゲエ / スカ / ダブ | trackback(0)
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