『Bricks Are Heavy』 L7(エルセブン)

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1992 アメリカ
グランジバンドとしてのヤサグレ度 #
パンクバンドとしての攻撃力 #
ハードロックとしての豪快さ #
「強い女」フェチ度 #
総合点 #

~オルタナ / グランジ界の実力派やさぐれ女番長、これが大出世作~

女性によるロックバンドは、日本では「ギャルバン」という和製英語で呼ばれたりもしますが、その語感からも、女性ばかりのバンドといえばなんとなく、ちっちゃい体で男に負けないようにがんばってる姿が想像されますよね。チャットモンチーとかSCANDAL(スキャンダル)みたいな。
特にドラムに関しては、体格の差というのがどうしようもなくつきまとうわけで、男の叩きだす太いビートにはかなわない面があるわけです。

ところがこの L7には、そういう、か弱さはゼロ。いかつい音で1990年代のオルタナ / グランジの時代に大活躍しました。
この『Bricks Are Heavy』は彼女たちにとって3枚目のアルバムで、初のメジャー作になります。ここからシングルカットされた「Pretend We’re Dead」の大ヒットにより、大ブレイクを果たしたのです。

ハードロックとパンクどちらにも聞こえる独特のサウンド。ザクザクと切り刻むぶっとく歪んだ特徴的なギターの音を中心に、ハスキーでビッチなボーカル、ベースもかなり歪んでます。
そして個人的にかなり好みなのは、ドラム。女性ドラマーってなんとなく個性的なビートになる人が多い気がするんですけど、彼女もなかなかクセのあるイナセなビートを叩きます。特にライドシンバルを中心付近を連打して8ビートを刻んでるときが最高にフェティシズムをそそられますね。

プロデューサーは、NIRVANAの『Nevermind』を手がけたことで有名なButch Vig(ブッチ・ヴィグ)。後にGavage(ガービッジ)というバンドを結成することになりますが、とにかくオルタナ / グランジ界の超重要人物なわけです。
ささくれたロックでありながら聴きやすいという音作りになっていて、プロデュースは大成功していると思います。

強い女性にひかれるという人には、超オススメです。それも、和田アキ子的なそれではなく、小池栄子やMEGUMIの強さですね。実際、L7は歌詞も下ネタ全開だったりするし、人間的にもけっこう強力なようです。

ジョン・ウォーターズ監督の『シリアル・ママ』という1994年の映画で、L7はクライマックスのシーンに出演しています。主人公は普通の主婦でありながら連続殺人犯という、かなり気の狂った映画なのですが、その主人公が警察から逃げてL7のライブ会場に入り込むというシーンがあるのです。
しかもL7はBGM的な扱いではなく、主人公をかばってライブ中に追っ手を焼き殺すという役。そういう役が似合うバンドだと思っていただければ、だいたいあってます。


【「Pretend We’re Dead」PV】


大ヒットシングルです。アルバムでももっともポップな曲。他はけっこうラウドでパンキッシュです。

【「Pretend We’re Dead」CSSによるカバー】


ブラジル発、世界最先端バンドのCSSもL7の大ファンで、この曲をカバーしています。

【映画『シリアル・ママ』の問題のシーン】


どういう経緯で出演することになったかはわかりませんが、誰よりもこの役が似合うバンドだと思います。

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